7/1に「織姫と彦星の物語」をご紹介しました。
その織姫と彦星に思わぬことが起こったら…?という
完全オリジナルアナザーストーリーを作成しましたので、全6話にしてお届けします😊
一話一話は読み聞かせにちょうど良い長さになっています。
1・2年生なら頑張って一人で読むのもいいかもしれません😊
7月7日の七夕の日まで、連日更新しますので、ぜひ親子でお楽しみください♪
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第1話:星空の約束 ~織姫と彦星と小さなほうき星~
一年に一度、天の川にかかる光の橋。その夜、織姫と彦星はまた出会うことができました。空の星たちは、ふたりの再会を祝うように瞬いています。
「ねえ、彦星。今日は、空がいつもよりキラキラしてるわね」
織姫がそう言うと、遠くの星々がふるふると震えて、まるで笑っているようでした。
ふたりが手を取りあったそのとき――空の向こうから、小さなほうき星が飛んできました。
その星は、まるでいたずらっ子のようにクルクルと回って、ふたりのまわりを飛び回ります。
「こんにちは!ぼく、ほうき星のルナ!ひとつだけ、願いを届ける力を持ってるんだよ!」
織姫と彦星はびっくり。「願いを…届ける?」と織姫が聞くと、ルナは小さくうなずきました。
「うん!ふたりが1年待たなくても、心をつなげるように。ほら、これ!」
ルナがくるっと回ると、空にキラキラのしずくがひとつ、ふたりの手のひらに舞い降りました。
それは、星のしずく。これを空にかざすと、離れていても、ふたりの声が届くようになるのです。
「すごい…!これで、毎晩おやすみって言えるね」
「うん、そして“あいたい”って気持ちも、ちゃんと届く」
ルナはにこっと笑って、星のかけらをふわっとまき散らしながら空へ帰っていきました。
ふたりは、手をつないで夜空を見上げました。もう、さびしくなんかありません。会えない時間も、ふたりの想いは“星のしずく”でつながっているから。
そして約束しました。
「また来年、ここで会おうね。ちゃんと、笑顔で。」
天の川の向こうで、ほうき星のルナがクルクルと踊りながら見守っていました――。
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第2話:ほうき星ルナのぼうけん 〜とどけ!星のしずく〜
それから何百年もの時が流れても、ルナは夜空をぴゅーんと飛びまわっていました。元気いっぱいで、ちょっとおっちょこちょい。でも「人の願いごとを見つけるのが得意」って、自分では思っています。
ある日、天の川の近くで、ルナはふしぎな声を聞きました。
「……だれかに、想いをとどけたいの……」
声の主を探して、ルナはぐんぐん進みます。雲のすきまをすりぬけて、光のしぶきをまいて、ついに見つけたのは……なんと、小さな星の赤ちゃんでした。
「あなたが、願ってたの?」
「うん……ママ星に、“だいすき”って言いたいの。でも、ことばがうまくとどかないの」
ルナはにっこり笑って、こう言いました。
「まかせて!ぼくは“願いを運ぶ星”、星のしずくを持ってるんだよ!」
しっぽからキラキラとしたしずくをひとしずく、赤ちゃん星の手にポン。赤ちゃん星がそれをぎゅっとにぎって心で想うと……
遠く離れたママ星のところに、あたたかな光の風がふわっと届きました。
ママ星は目を細めて、小さな光をそっと手にとります。
「……このぬくもりは、あなたの“だいすき”ね。ちゃんと届いたわよ」
ルナは空のずっと高いところから、それを見ていました。
「よかった〜〜〜!やっぱり願いごとは、飛ばしてナンボ!」
そしてまた次の願いを探しに、ぴゅーん! シュワーン! キラキラ〜!
星のしずくをひとしずく、またひとしずく……
今夜も、願いをのせて夜空をかけぬけます。
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第3話は明日更新します⭐お楽しみに⭐
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